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【移住はキャリアアップになる】東京を捨てて高知に 移住して、丸一年。 今感じていること

はじめまして、イケダハヤトと申します。ぼくは昨年の6月に、28年生活した関東圏を離れ、縁もゆかりもない高知県に家族3人で移住をしました。

仕事は「プロブロガー」で、ブログ「まだ東京で消耗してるの?」は、月間約70万人の方に閲覧していただいています。主に広告収入で生計を立てています。ほとんど思いつきで移住して、丸一年が経ちました。そんなぼくが今感じていることを、ここに記してみようと思います。


クリエイターにとって、東京を離れるのはキャリアアップになる
ここまでの生活でもっとも興味深い発見は、クリエイターにとって「移住はキャリアアップになる」という点です。わかりやすく実例を出すと、うちのブログは、高知県に移住したことにより、アクセス数が2.2倍程度に伸びました。

収益はアクセス数にほぼ比例するので、売上も東京時代から2倍です。特に人気なのは、移住後の生活について語る「移住日記」というコーナーで、こちらは県内外の読者に幅広く読まれています。移住によって、新しい「キラーコンテンツ」を得ることができた、とぼくは解釈しています。

従来的な考え方でいえば、東京を離れるということは、「都落ち」「セミリタイア」「隠居」などなど、やや元気のないニュアンスがあるかと思います。
 
しかしながら、ぼくにとって移住はあくまで「キャリアアップ」です。ぼくがまさに経験しているように、単に住む場所を変えるだけで、表現の幅が広がり、新しいターゲットにリーチできるようになるのです。講演・原稿の依頼、行政の仕事に関わる機会も増え、本当にいいこと尽くめです。


生活の豊かさが段違い
また違う側面を語ると、東京時代に加えて、生活が圧倒的に豊かになったと感じています。

コンパクトシティである高知市では、「職住接近」が当たり前です。自転車通勤をしている方は多く、もちろん「満員電車」という概念も存在しません。高知市内に住むぼく自身も、自転車と徒歩で生活のすべてを賄っています。「地方では車は必須」というのは思い込みにすぎないことがわかりました。

また、「食」に関する満足度も格段に向上しました。新鮮な旬の食材を安価に手に入れられるのはもちろん、外食産業のレベルの高さにも驚かされます。地方を経験した方なら頷いていただけると思いますが、本当に、東京の食は貧しいと言わざるを得ません(申し訳ないですが…)。

そのほかにも、家賃が半額になり、労働時間は減り、家族といられる時間が増え、人とのつながりは強くなり、レジャーの幅は広がり……デメリットは一切なく、いい影響ばかりです。

ぼくのような「持ち運び可能(ポータブル)な仕事と収入源」を持っている場合、地方移住は生活の質を大いに上げる選択肢になります。東京水準の収入を、そのまま生活コストの低い土地に持ち越せるわけですから。


課題だらけ、イノベーションを起こす余地だらけ
高知県は2009年に平均所得全国ワーストを記録したくらい、金銭的に貧しい地域です。「職種によっては、正社員でも手取りで10万を下回る」という、ちょっと信じがたい話も聞こえてきます。

また、高知県は「医療費」と「病床数」が全国トップです。これは、介護インフラの整備が追いつかず、介護が必要な方々が、病院でケアされているために起こっているとみられています。

人口減少の問題も大きく、高知県は全国的な統計に15年先行して、自然減のフェーズに入っています(1990年時点)。尾崎知事は、高知県が「経済規模の縮小によって若者が県外に流出すると、ますます過疎化・少子高齢化が加速し、さらに人口が減少する」という「負のスパイラル」にあることを指摘しています。

そんなわけで、高知県は必ずしも明るいとはいえない「課題先進県」なのですが、ぼくは「だからこそ」ここに住んでチャレンジをしています。
様々な課題が目の前にあり「なんとかしないとやばい」という意識が共有されている高知県では、新しいイノベーションを生み出す動きも活発です。
 
実際に高知県では、地域医療、農業ベンチャー、障害者雇用、空き家活用、移住促進、新エネルギーなどなどの領域で、先進的な事例が数多く生まれています。

そして、生み出されたイノベーションは、高知県にとどまることなく、日本全国、ないしは全世界で応用される可能性があります。「高知県が直面している課題」は、大局的な視座で見れば、実は「世界が直面している課題」なのです。


地方は資本主義のフロンティアだ
そう、地方には、イノベーションを生み出す余地が大いに残されているのです。一方で、その「余地」に気づき、現実に行動をとっているプレーヤーはまだまだ稀少です。

この事実は、私たちが今地方に進出すべき、もっとも本質的な理由だと感じています。地方は、資本主義のフロンティアです。そこには、経済的な利益があるのです。

「グローバル経済」への進出を目指すよりも、ぼくはよっぽど「ローカル経済」を攻める方が、経営的に合理的ではないかと考えています。小さな規模ではありますが、ぼくはまさに、ローカル進出によって新たな利益を得ることができています。

何はともあれ、課題あふれる地方の現状に、身体を使って触れてみることをおすすめします。旅行でも、ビジネスの視察でも、現地に足を運ぶのです。ビジネス的なヒントや、パートナーを得られると思います。

最後に。高知県にいらっしゃる際は、事前にご連絡をいただければ、色々とお話させていただくことも可能です。こちらは、とてもエキサイティングですよ。お待ちしております。



 

 

いけだ・はやと/ITジャーナリスト
早稲田大学卒業後、ルネサステクノロジに入社。ソーシャルメディアの活用を担当。その後、トライバルメディアハウスで、ソーシャルメディアマーケティングの事業を経て、現在のフリーエージェントに至る。
2014年6月に高知県に移住。東京から離れて、楽しく暮らしています。
ブログwww.ikedahayato.com
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