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コロナで変化した価値観とライフスタイル:ニューノーマル時代を価値観マーケティングで読み解く

(こちらの記事は、マーケティングホライズン2022年1月号『わたし的マーケティング論』に記載された内容です。)

株式会社ロイヤリティマーケティング(以下、LM)で実施されたウェビナー[2021年11月16日開催]について紹介する。LMは共通ポイントカード「Ponta」を運営しており、ポイント事業で蓄積されたデータを含めたビッグデータを活用して企業のマーケティングを支援している。今回のウェビナーではLMのサービスであるアナリティクスとリサーチを活かし、コロナで変化した価値観とライフスタイルから読み解いたニューノーマル時代の生活者の行動予測を報告した。

 


1.価値観マーケティングの重要性


 

現代は多様化が進んでおり、性別や年代だけでは顧客を把握することが難しくなっている。そこで基本属性だけでなく生活者の価値観から需要を捉える「価値観マーケティング」が重要となってくる。

価値観マーケティングとは、性格や仕事観、情報感度など価値観を構成する要素で顧客を捉えて顧客に合わせたアプローチを検討していくマーケティング。コロナでライフスタイルが大きく変化した現在の価値観の変化を捉えることでニューノーマル時代の価値観の変化とライフスタイルを予測した。

 


2.分析にはLMサービスの「PERSONA+」を活用


 

 

生活者の価値観を把握するにあたり、LMのサービスである「PERSONA+」を活用(上図)。生活者の価値観を簡単に把握できるサービスとなっており、5万人に200設問以上のアンケートを実施し価値観を構成する10因子から、独自で15の価値観クラスターを構築。今回はPERSONA+を活用し生活者の価値観とライフスタイルを分析した。

<TOPICS1 コロナで変化した生活者の価値観>

コロナ前の2019年1月から2021年11月にわたって生活者の価値観の変遷を分析。

2019年1月と2020年5月の比較

「CL5真面目な努力家タイプ」から「CL13コミュニティ重視の安定志向タイプ」に価値観が変化。第1回緊急事態宣言が解除されたことで抑圧された生活から解放され、外交的に価値観が変化していた。

2019年1月と2021年8月の比較

Withコロナに慣れてきた2021年8月は2020年5月に外交的に変化した層の一部が「CL5真面目な努力家タイプ」に戻ったものの、一定数は外交的に変化したままとどまっていた。

2019年1月と2021年10月の比較

2021年10月は「CL14内向的な八方美人タイプ」が増加。緊急事態宣言が解除されたが段階的な解除だったため、内向的な層が増える結果に。ただ、この層は第1回緊急事態宣言解除後に外交的に価値観が変化していたため、今後のコロナ状況の好転の影響で徐々に外交的に変化していくと予測。

2021年11月と今後の予測

 

 

2021年11月は飲食店の時間短縮なども解除され、制限がなくなったことでコロナ禍に増加していた内向的な層が減少し、外交的な層が増加。今後はさらにコロナ状況が好転することで外交的に価値観が変化していくと考えられる(上図)

 

<TOPICS2 コロナで変化したライフスタイル>

 

 

緊急事態宣言が解除された2021年10月にライフスタイルに関する調査を46,022名に実施。外向的な層、中層的な層、内向的な層の3つの価値観層ごとにライフスタイルの変化を分析した(上図)

 

<ワクチン接種後の心境と行動>

ワクチン接種後の意識を聴取。外交的な層は旅行や外食など外出への欲求が高まっていた。一方、内向的な層は外出への意識があり、かつ実際の行動もしている人の割合が最も高くなっており、自分の意識に沿って行動している動きがみられた。中庸層は意識も行動も低く、まだ人の目を気にしている様子がうかがえる。今後は外向的な層から動きが活発になると予測。

 

<ニューノーマル時代の食スタイル>

コロナ禍で新しく始めたことを聴取。すべての価値観層で「フードデリバリー・テイクアウト」が最も高い結果に。特に外向的な層は始めた割合が高く、コロナ禍でも積極的に新しいことを取り入れている様子がうかがえる。

但し、新たに始めたが今後はやめることでもすべての価値観層が「フードデリバリー・テイクアウト」が高くなっており、飲食店の休業や時短営業で普及したこの食スタイルは今後需要が大幅に減少する可能性が高い。一方で、料理は減少・止めると回答した割合が低く、ニューノーマル時代においても自炊生活は定着する見込み。

 


3.ニューノーマル時代に向けて



コロナ終息に向けて外交的な層が増加してくと予測。今後は外交的な層から徐々に活発な行動が進んでいくと考えられるため、この層に向けたマーケティング活動が重要となる。

外交的な層に引っ張られる形でフォロワーの中庸層は消費活動が始まっていくと予測。一方、内向的な層は個人主義に拍車がかかり需要を読み取りづらくなっているため、価値観で捉えることが重要となる。

世の中の変化に応じて、生活者の価値観も大きく変化している。価値観ごとに今後の行動の始まりやライフスタイルが異なるため、価値観を把握し、それに合わせた価値観マーケティングを推進していくことが重要となる。

 

≪ウェビナー資料およびサービスのご案内≫

今回のウェビナーではこの他にも分析やリサーチの結果をご報告しております。また、分析に活用したPERSONA+をご使用いただき企業様の価値観マーケティングを実施いただくことが可能です。
 
本資料またはPERSONA+にご興味のある方は下記の連絡先にお問い合わせください。
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