巻頭言

Step! ~Another Horizonに向かって

足下を掘れ、そこに泉あり(ニーチェ)

本号のテーマの “Step”とは、Hop、Step 、Jumpの“Step”です。
先行きの不透明感から、新たな取り組みを「はじめることすらおぼつかない」ということをよく聞きます。こうした状況下、巷には「まず、はじめてみよう」的な本やHow to本などの自己啓発本が相変わらず溢れています。

しかし、気がつけば、いつの間にか「はじめること」自体が「目的化」して、いざ、はじめてみても、はじめるまでの労力で既に相当の体力を消耗してしまい、もはや次の段階(Step)まで辿り着けない、そんな状況も企業の新規事業などでよく目にします。

そんな中、今を起点に、できることを積み上げながら未来を創造する「フォアキャスト」か、それとも、理想の未来を先にイメージし、それに向かって未来を逆算し創造する「バックキャスト」なのか、ということも様々なところで議論されています。

しかし、私の周りを見渡してみると、これとは別に、「明確な未来のイメージは持ち合わせていないが、この先、今とは確実に違う世界(Another Horizon)を描けるかも知れない」と信じている人たちが、年齢を問わずいます。本号では、そんな未来感を持って行動している人たちの「現在地(Step)」を紹介したいと思います。

 

本誌編集委員 見山 謙一郎