【あなたは、 本気で仕事してる?】刺激的な街、でも、生気を 感じない都市、東京

2014年末、東京を離れ、単身NYへ来て数ヶ月。ニューヨークへ来てよかった、心からそう思う。

それは、学生時代に何がなんでもファッションの仕事がしたい!とがむしゃらに思い、どんな小さなことでも仕事にファッションで関われるだけで、嬉しくて、楽しくてたまらない、と思った社会人になりたて、その情熱を持ち続け、10年以上仕事をしている人たちに囲まれ、私ももう一度、死ぬほど本気でやろう!と思えたから。

ニューヨーカーは忙しく、東京と同じかそれ以上に働いている。話を聞いていると、2~3泊の海外出張をざらにこなす人も多い(欧州へは物理的な距離が日本より圧倒的に近いこともあると思うが)。

だが、どんなに忙しくてもクリエイティブな仕事をしている日本人の友人たちが口を揃えて言うのは、仕事をしていてストレスなんてない。だって、楽しくて仕方ないから。仕事を仕事と思って仕方なくやったことなどない。

自分にとっては仕事、というよりも趣味に近くて、いつもドキドキワクワクしている、って。社会人になりたての頃はよく話したこと。でも、長年仕事をするうちに、いつの間にか聞かなくなった台詞。

真剣に、まっすぐに、自分の想いに忠実に、純粋に、本気(本気と書いてマジと読む)で、仕事をしている人が多い、そんな都市、ニューヨーク。

さらに、一時帰国して感じたのは、東京以外の都市で会った友人、知人たちは、ニューヨークで話している、本気の、キラキラと夢を語る魅力的な、世界を相手に仕事をするクリエイターたち(もちろん東京にも大好きな、情熱を持って語れる仲間はいるが、彼らの多くが仕事をしている相手から情熱を感じない、、、という話を聞く)。

そんな彼らが言うのは、今、拠点を東京に移す、戻す、必要は感じず、東京へは、打ち合わせなど仕事がある時に行けばそれで十分ということ。

ニューヨークで、日本のどこから来たの?東京だよ、と話すと、ワオ!クールだね!そう、私もそう思っていたし、東京は世界からみても、エキサイティングでクールな都市だと感じる。

だが、誤解を恐れずに言えば、いつからかそんなエキサイティングな街が私には物足りなくなった。そして、実家のある静岡と東京の往復生活を始めた。新たな発見が多いのが静岡だったから。東京から拠点を地元である静岡に移したクリエイターの友人、別の土地から静岡に移り住んできた友人。

いつのまにか、私に知的な刺激やインスピレーション、イマジネーションを与えてくれるのは、東京よりも、静岡に住む友人たちや自然から学ぶことの方が多くなり、どんどんシナプスが繋がっていくのを感じた。

それはなぜか?私が感じたのは、東京では、感覚を鈍化させた方が生きやすいのではないか、ということ。満員電車で時には家族や恋人よりも至近距離に見ず知らずの他人と接せざるをえない状況、目に飛び込んでくる山ほどの情報。みえているものをみない方が楽なのではないかと。

結果、東京では道行く人の多くが無表情で、特に通勤時、永田町の長いエスカレーターで行き交う人々をみているとあまりに無表情すぎて、生気がなく感じられ、自分は人造人間を作っているレールの上に乗っている気分になる。

他人に対して無関心で、スマホとコミュニケーションをとっている。もちろん、1人で喋っていたり、笑っていたりするとおかしな人なのだが、なんとなくニュアンスを感じていただけるだろうか?

例えば、ニューヨークだと道ですれ違う人や美術館のチケットを確認するスタッフ、電車に乗り合わせた人が、笑顔で、あなたのスカートかわいいね!どこで買ったの?そんな風に話しかけてくる。

日本では、知っている人と、知らない人の境界線がハッキリしていて、知っている人に話しかけるのはOKだが、知らない人には用事がなければ話しかけてはいけない、そんな雰囲気があるし、その国民性を否定するつもりは全くないが、クリエイターやマーケッターが刺激に対して、鈍感になるというのは仕事の質が落ちるように感じる。

インターネットが発達し、スマートフォンが誕生し、ついにはapple watchも登場し、かつての漫画の未来の世界が現実になってきている今、どこにいてもネット環境さえ整っていれば、瞬時に世界中の人たちと繋がれる時代がやってきた。

場所の優位性(空港から近い、メディアが集中しているなど)も全くないわけではないが、10年前に比べると場所にしばられにくくなくなった。
その時代に、東京でえられるものはなんだろう?もちろんまだまだ沢山ある。

ストリートファッションは、明らかに東京は面白い。世界中を見渡しても、これだけファッショナブルな人が多い、平均点がとても高い街はないと思う。でも、東京にいなければいけない理由はあるのか?

東京は世界でも稀に見る、需要と供給がマッチしていて、東京を出ずとも賄える仕事が沢山ある。井の中の蛙でも生きていけるのだ。それはとても幸せなこと。でも、もうちょっとだけ視野を広げてみてはどうだろうか。日本も、世界も広い。

その結果、東京を選ぶ、という選択肢ももちろんある。外をみたうえで、戻ったら、また違った世界が広がるのではないだろうか。ニューヨークは、人の入れ替わりが活発で、来る人も離れる人も沢山いる。

10年以上ニューヨークに住んで、東京に戻りたいという日本人の話も聞く。だけど、それは刺激的、というよりも楽だから。安全、快適で、問題が少ない街、そこから少し外に出てみてはどうだろうか。私は東京以外の都市に住む人々から溢れる情熱を感じる。



吉田 けえな (よしだ けえな)
静岡県出身。コーディネーター。インターネットで情報が簡単に手に入る時代になったからこそ、何事も自身で体感することを信条に、現地に足を運び、観る、味わう、感じることを大事にしている。
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